2012年11月21日

戸隠古道を行く!!その30 「奥社」

「九頭龍社」の右手にある階段を上ると、
戸隠古道を行く!!その30 「奥社」

戸隠古道の最終地点。
戸隠古道を行く!!その30 「奥社」
奥 社


戸隠山の大岩壁の真下とも言える場所に建つ「奥社」は、戸隠神社の本社です。
嘉祥2年(849年)学問行者が道場として開いた戸隠寺が起源と言われているようです。
古くは戸隠三十三窟の岩窟の中にあり、第一本窟が奥社本殿だったと言われています。
戸隠古道を行く!!その30 「奥社」
「奥社」は、日本神話にある「天照大神」が天の岩屋にお隠れになった時、無双の神力をもって、天の岩戸をお開きになった「天手力男命」を戸隠山の麓に奉斎した事に始まります。
戸隠神社の御本社として全国に開運、心願成就、五穀豊熟、スポーツ必勝などの御神徳が広宣され多くの崇敬者が登拝されます。

戸隠古道を行く!!その30 「奥社」
かつて奥社社務所に籠る役は、本院燈明役(とうみょうやく)と言われ、衆徒(寺の僧徒のこと)が2年交代で務め、事故がない限り下山できないほど重要なお勤めとされてきたらしい。
俗世間から切り離されたこの秘境での修行を思うと、言葉では伝えられない壮絶さが想像されます。




「奥社」から空を見上げると、切り立った岸壁の戸隠山が迫ってくるように感じます。
戸隠古道を行く!!その30 「奥社」


今日のように青空に“凛”と立つ戸隠山を背にした「奥社」は本当に見事で美しい。しかし、季節はまもなく「冬」。この切り立った岩璧から吹き降ろす雪と風に耐えなくてはなりません。
そんな自然の摂理を思うと、あの詩を思い出します。

「戸かくし姫」

山は鋸(のこぎり)の歯の形
冬になれば 人は往かず
峰の風に 屋根と木が鳴る
こうこうと鳴ると云ふ
「そんなに こうこうつて鳴りますか」
私の問ひに
娘は皓(しろ)い歯を見せた
遠くの薄は夢のやう
「美しい時ばかりはございません」


初冬の山は 不開(あけず)の間
峰吹く風をききながら
不開の間では
坊の娘がお茶をたててゐる
二十(はたち)を越すと早いものと
娘は年齢(とし)を云はなかつた

津村信夫


ここで、「戸隠古道」の旅は終わりとなります。
「一の鳥居」から「奥社」までは、やはり長い道のりでした。「修行」などと大それたものではありませんが、石柱が立つ戸隠由縁の地を一つ一つ丁寧に周りながら、その場所に伝わる話に耳を傾けていると、自然と古の人たちの声が聞こえてくるようでした。
そして、その声に今の自分を重ねながら歩いた「戸隠古道」はとても楽しい時間となりました。

ぜひ、みなさんも四季折々にいろんな表情を見せてくれる自然豊かなこの道を、ゆっくりと時間をかけて歩かれたらいかがでしょうか。

さて、読者の皆様には大変お世話になりましたが、この記事をもって、私、堀内は筆を置かせていただくこととなりました。
約一年という短い間でしたが、充実した時を過ごさせていただきました。
今後は後任の高橋が、皆様にいいときエリアの旬な情報をお届けいたしますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
本当にありがとうございました。



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Posted by いいときナビ at 11:24│Comments(0)戸隠
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